【区分マンション投資はババ抜きゲーム?】理事を経験してわかった区分投資の危うさ

不動産投資
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アベノミクス以降、東京のマンション価格は上昇の一途をたどっています。
ひと昔前なら「マンションは土地が残らないから資産価値がない」と言われたのが、まるで嘘のような高騰ぶりです。

では販売価格が高騰し続ける区分マンションに、死角は見当たらないのでしょうか。
今回は自宅マンションと賃貸中の区分マンションの理事を経験して感じた、区分マンション特有のリスクについてまとめました。
現在、自宅マンションの購入や区分マンションへの投資を検討している方にとっては参考になると思います。

ブログ運営者
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  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,500万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • 区分マンションの危うさ

ぜひ最後までご覧ください。




2つのマンションの理事を経験して

私はこの5年ほどで2つのマンションの理事を経験しました。
2つのマンションそれぞれに違った印象を抱きましたので、まずはそこからお話しします。

自宅マンションの理事を経験

私の住む東京世田谷のマンションは築10年ほどで、住民の平均的な属性は30代~50代のファミリー世帯メインです。
総戸数は50戸台で理事5名が10年おきに回ってくる感じですね。

今期は入居してから数えること2度目の理事となり、大規模修繕工事や修繕積立金の値上げに加え日常の細々とした諸問題について理事会で話し合いを行いました。

基本的に皆さんマトモ

理事は殆どの方が現役で、社会的にそれなりのポジションに就いているであろうことが容易に推察される雰囲気で、理事会での討議事項について偏った意見は見られない状況でした。

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私が1番属性悪いかも😅

そんな理事会で大規模修繕工事や修繕積立金の値上げといったテーマに関して、極端に異なる意見は出ないものの、住民アンケートを実施すると様々な意見が出るわ出るわ…。
やはり修繕工事の内容や積立金の値上げ幅への意見は十人十色で、左側と右側の両極端な意見をぶつけると、まさに水と油さながらです。

今はいいけど、先が思いやられる

高齢化が進む築古マンション理事の場合

思い起こせば今から4年ほど前に、賃貸中の区分マンション(以下、Sマンション)の理事を経験しました。
Sマンションは築40年を超えていることもあって住民の半数はお年寄りで、総戸数も20戸台と小規模です。

理事4名のうち70代か80代と思しき古株が2名、私ともう1名が40代くらいの新参者で、Sマンションに私だけが居住していないという状況でした。

古株はクセが強い

この古株2名のうち理事長は自分からしゃしゃり出ることもなくおっとりした雰囲気で、他の理事の意見を聞きながら理事会をまとめていく言動が多々見られました。
いっぽうもう1名の理事のYさんは超クセモノで、建築関係に詳しく管理会社に対する敵対心を持っており(理由は不明)、議題の1つ1つにまるで狂犬のように噛みつき場を荒らします。

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基本、雰囲気はよくない

これだけだと【Yさん=厄介者】で終わるのですが、難しいのはYさんの言っていることは決して間違いではない点です。
例えると、多くの方が「まぁこれくらいはいいんじゃね?」と思うことでも、管理規約やルールに少しでも抵触しているのがYさんは許せないっぽいんですね。

専用庭の植栽の葉っぱが共用部にハミ出ているとか、自転車置場に停めてある自転車が少し枠をはみ出しているとか、何年か前の修繕工事の粗をいまさら掘り返したり、まぁキリがありません。
ただYさんは建築関係に明るく、根は悪くない人なので、マンションの管理や修繕に関してすごく情熱をもって協力する一面もあり、まさにSマンションにとって『良薬は口に苦し』でしょうか。

Sマンションは売却済みで手離れしたので今となってはどうでもいいですが、まだ保有しているとしたらYさんの存在はちょっと気が重いですね。

区分マンションの高齢化と危うさ

築40年を超えるSマンションの理事を経験したことで、まだ築10年ちょっとの自宅マンションの行く末も想像しやすくなりました。
ここからは高齢化マンションの危険性について私見を述べてみます。

高齢化マンションの危うさ

Sマンションは入居者の半数以上が40年以上居住している、住民同士が顔なじみのマンションです。
私の見た感じではお年寄りの住民のうち殆どが現役を退いており、年金生活を送っているものと思われます。

今後の修繕が不安

Sマンションは総戸数が少なく、お部屋ごとの修繕積立金は決して高くないため、マンション全体の修繕積立金はさほど余裕がありません。
理事会でも理事長とYさん2名の積極的な姿勢がない限り、修繕積立金の値上げが議題に上がることはなさそうな雰囲気でした。

しかもSマンションの理事は輪番制ではあるものの、希望すれば何期でも理事ができるという謎の仕組みであり、現にYさんは10年以上何かしらの役職で理事を続けているとのことでした。
つまりこの現状から言えるのは、Sマンションは実質的にYさんの賛成がなければ物事1つも決まりにくい体制を敷いている危うさを併せもちます。

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まさにノイジーマイノリティー…

いまは厳しいながらも正論を主張しているYさんですが、この先さらに歳を重ねて老害化する可能性だって否定できません。

新しく入ってきた若い世帯はSマンションの管理には興味がなさそうで、お年寄りとの溝も感じました。
そんなSマンションに今後大きな問題が持ち上がったら、ますます若い住民はお年寄りと距離を置くでしょうし、お年寄りはお年寄りで見て見ぬふりをすることが容易に想像できます。

そうなるとSマンションは機能不全状態に陥り、日常の細々とした管理はもちろん、中長期的な修繕計画やその実施に大きな問題を孕むことでしょう。
日本ではこんな管理不全マンションが、今後山ほど出てくることが想像できます。

結局区分マンションはババ抜きゲーム

マンションと戸建の決定的な違いは、「自分1人で意思決定ができるかどうか」にあると言われます。
それはまさしくその通りで、異論はありません。

確かに修繕するか建て替えるか、あるいは土地を売るかについて、マンションだと1人で決めることはできません。
ただし、それがゆえに戸建がマンションよりも優位かと問われると、私はそうは思いません。

マンションを買い替え続ける、がベスト

マンションは築20年程度までであれば、さほど大きな問題は発生しません。
と言うのも、新築時に購入して住んでいる住民の多くが現役であり、大規模修繕工事も2回目までなら大きな負担なくクリアできるケースが多いからです。

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ただし築20年を超すと要注意

一般に2回目の大規模修繕工事では通常の修繕メニューに加え、エレベーターの更新や機械式駐車場のリニューアルが行われるため費用が高くつき、マンションの修繕積立金が心もとなくなりがちです。
それが築30年ともなると住民のなかでは現役を退いたため収入が減り、毎月の修繕積立金の値上げにネガティブな感情を抱く人も出てきます。

そこからさらに築年数が古くなるとますます修繕費が集まりにくくなり、必要な修繕を実施できず、マンションの資産価値は毀損し続ける負のスパイラルに突入するかもしれません。

まとめ

区分マンションは最後まで持たずに買い替え続けよう

それはさながらトランプのババ抜きゲームと同じ、最後まで持ってちゃ負けなんですね。

理事を経験してわかった区分投資の危うさについて・おわり

マンションは2つの高齢化が大きい社会問題となると言われます。
1つの高齢化は住民であり、もう1つは建物です。

人間は誰しも1年に1つずつ歳をとり、誰かの身体を乗っ取ることはできませんが、マンションは住み替えができるんです。
そうなると建物の高齢化は回避可能であり、住み替えに必要な資金をプールしておくことが最大のリスクヘッジとなり得るんでしょうね。

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