東村山にある420万円の「格安3DKマンション」、住んでみてわかった「高齢化」の実態とは・レビュー

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東京都心のマンション価格上昇が止まらないなか、同じ東京でも多摩地区は価格が1,000万円以下のファミリー物件が散見されます。
何だか1,000万円以下のファミリー物件と聞くと、エレベーターのない5階の部屋とか告知物件とかをイメージしますが、どうやらそういうのばかりでもないようです。

しかし、安いものにはそれなりの理由があります。
室内が汚いだけであれば自力で何とかできますが、管理が行き届いていないマンションを良くするのは住人の総意を必要とするだけに一朝一夕に改善は見込めません。

今回は楽待さんのYouTubeチャンネルで、とあるルポライターが格安マンションを購入し高齢化の実態を解説した動画を視聴して、感じた私なりの考えを述べていきます。

ブログ運営者
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  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,000万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • 高齢化した自主管理マンションの危うさ

ぜひ最後までご覧ください。




420万円の「格安3DKマンション」、住んでみてわかった「高齢化」の実態・本編とあらすじ

まずはYouTube動画の本編とあらすじから見ていきます。

420万円の「格安3DKマンション」、住んでみてわかった「高齢化」の実態・本編

それでは動画本編を観てみましょう。

東村山市といえば、故・志村けんさんのイメージしかないですが、西武新宿線に乗れば30分余りで新宿に出られて、意外と利便性は悪くないところです。

駅に近い築10年以内の中古マンションは3,000万円台半ばで取引されており、東村山駅徒歩1分の2009年築タワマンに至っては坪(3.3㎡)当たり250万円超とかなり人気がありますね。
今回の格安マンション価格でこのタワマンを買おうとすると、5.5㎡くらいしか買えないですよ。

420万円の「格安3DKマンション」、住んでみてわかった「高齢化」の実態・あらすじ

ルポライターで漫画家の村田らむ氏が、東村山で420万円の格安マンションを買ったのは3年ほど前。
もともと売主が売却を急いだこともあり、520万円で不動産ポータルサイトに掲載されていた本物件を内見し、100万円指値で即決したそうです。

購入後はキッチンの水栓とエアコン2基を新しく交換して住んでおり、購入費の総額は500万円弱とのこと。
引っ越し前は西荻窪の1Kに家賃75,000円で暮らしており、現在は3DKと広く、郊外型の大型スーパーや飲食店があって生活環境としてはとても満足しているようです。

しかし安いのにはそれなりの理由もあるようで…。
このマンションは自主管理のため、日々の運営を住人が協力しながら進める必要があるようです。

清掃やゴミ置き場の管理、集金を住人が行う

売主が売却を急いだ大きな理由がこれで、引っ越したにも関わらずわざわざ清掃などのためにこのマンションまで通わなければならないのが大変だから、ということでした。

さらに住人の高齢化も目立ち、役員はほとんどが70歳以上で、若い人もいるにはいるがあまり管理組合の活動に参加してこないようです。
今後さらに高齢化が進み、管理組合の運営に大きな不安も募るなか、「めちゃくちゃスラムになることはないと思うので、流れるままになるんだろうな」とする、どこまでも自然体な村田氏の笑顔が印象に残りました。

自主管理の怖さと所感

今回の格安マンションは自主管理がゆえの価格の安さでした。
ここからは自主管理の怖さについて考えていきます。

管理組合の謎ルール

今回村田氏が購入した格安マンションは自主管理で、動画内においても管理組合の謎ルールがありました。

毎月26日(時間は未定)に共益費を住人が直接集金に行く

どうやら新築時からこのルールだったようで、おそらく現在は孤独死を早期に発見するための見守り策も兼ねてるのでは、と推察します。
それにしても、集金し忘れとか持ち逃げとかトラブったことはないんですかね。

こういう高齢化した自主管理マンションって、いずれは外部の管理会社に委託せざるを得ないんでしょう。
当然管理費はかかりますが、それによって資産価値(市場価格)が少しでも上がれば御の字だと思うんですけど。

マンション住人
マンション住人

管理費を払うのイヤだわ…

でも、これまで40年以上も自主管理してきたので、管理費を払うことにアレルギーを持っている住人も多そうで、意見がまとまらない気もしますね。
古株たちは長老の意向に従い、若い人はあきらめムードが漂うみたいな…やっぱりこんなマンションはイヤですね。

自主管理はムラ社会そのもの

所感

古くなったマンションは2つの高齢化ーソフト(住人)面とハード(建物)面の問題があります。

多くのマンションはマンション管理会社に管理を委託しているので、おカネさえ払えば2つの高齢化は問題なく乗り切れると思われます。
しかし高齢になると収入が少ない世帯も増えるでしょうし、さらに住戸全体の8~9割を高齢者世帯が占めれば、管理費等の値上げは困難を極めることが容易に想像できます。

住人間の意見の合意形成が難しいのがマンションの怖いところ

私の住むマンションも新築後10数年が経過し、現在の住人は40代前後のファミリー層が多く、これから30年後は70~80代が相当数を占めると思われ、決して他人事ではありません。
人件費の高騰や働き手の不足などで、ゴミ出しや清掃は住人が行うなどの未来も普通にあるかもしれませんし、いろいろ心配にはなりますね。

郊外などではボロ戸建が数十万円とかで売られていますが、立地が悪い自主管理のボロいマンション(通称、ボロマン)なんかも、早かれ遅かれ同じ運命を辿るんでしょう。
ボロマンを買うくらいなら、賃貸のほうがずっと気が楽だと思いますよ。

まとめ

不動産は立地が命(何をいまさら)

420万円の「格安3DKマンション」、住んでみてわかった「高齢化」の実態・おわり

私は区分マンションの売買はババ抜きと同じ風に考えています。
それは、築浅のときはプレーヤーも多くババ以外のカードもいっぱいあるので負ける可能性は低いですが、このような自主管理のボロマンになってくると、いつしかプレーヤーは自分ともう一人しかいなくて「目の前の相手に自分のババを引かせることができるかどうか」の勝負になりがちです。

今回の村田氏は総じて満足しているようですが、私はこんな自主管理のボロマンはイヤですね。
清掃やゴミ置き場の管理ならまだしも、集金やらお通夜みたいな理事会とかまっぴらごめんですよ。

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