区分マンションは住戸ごとにオーナーが違うため、時としてオーナー同士でトラブルになることもあります。
今回は私が保有する区分マンションの入居者から漏水に関する問い合わせがあり、区分マンション特有の漏水問題について考えました。
築年数が50年近くなると給排水管のトラブルや外装の劣化に伴い、水を巡る様々な問題が発生しがちです。
どこにどんな症状が出たら、何が原因でその責任は誰にあるのかについて簡単にわかりやすくまとめてみました。
- 不動産歴20年のフリーランス
- 投資家(不動産14年、株式3年)
- 運用投資総額は約3,500万円
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- 区分マンションを巡る漏水問題について
ぜひ最後までご覧ください。
漏水疑惑の発生とその初動について
今回漏水疑惑が発生したのですが、すっかり油断していた様子と、一報を受けて取った行動について今一度振り返ってみます。
漏水問題は華麗なる勘違いから始まる
2024年2月の3連休最終日、私のスマホにショートメッセージが届きました。
差出人を見ると、13年近く保有する区分1号の入居者さまです。
これは退去予告か…(僥倖?)
区分1号は13年前にオーナーチェンジで購入し、その後ずっと現入居者さまが入居してくれています。
すでに投資資金も回収済み
投資資金を回収し終えた今となっては区分1号は既に勝ち確なのですが、利益は最大限獲りたいもの。
リフォーム後の転売を虎視眈々と狙う私にとって、空室になるのをただじっと待ち続けてきたのです。
そんな背景もあって、差出人の名前を見ただけで今後の投資プランへの妄想が膨らみます。
「とりあえずリフォームして売って、それを原資に次の物件を買おっと♬…それにしてもまたリフォームするのちょっと面倒だなぁ…😊」
その直後。
甘い幻想を打ち砕くかのように、想定していない文字を目にすることに…。
入居者さま「上階から漏水しているようで…」
メッセージには退去の「た」の字すらなく、上の階から漏水が発生しているようで何とかしてほしいとの依頼でした。
漏水疑惑への初動
先ほどまでの甘い幻想からすっかり萎えた私ですが、漏水疑惑にオーナーとして対処しないわけにもいきません。
メッセージを詳しく読むと、2023年末から漏水っぽい形跡がみられるものの断定に至らず、今年に入って明らかに漏水と思しき現象が見られたとのことでした。
同時に送ってもらった画像を見ても、確かに漏水が原因と思われる変色や雫石があります。
これは間違いないやつだ…
ともかくも上階からの漏水は間違いなく、あとは原因が共用部分なのか専有部分なのかは不明ですが、少なくとも私が被害者側であることは確定と言えそうです。
翌朝には共用部分の管理会社に今回の漏水について対応をお願いすべく、ホームページから問い合わせを入れました。
すると午前9時半過ぎ、スマホに着信が…。
お問い合わせのあった漏水の件ですが…
おそらく営業開始とともに第一報をくれた、管理会社の区分1号を担当してくれているAさん。
スピーディーに対応してくれたのは、好印象ですね。
Aさんと話したところ漏水問題については手慣れた様子で、まずは原因の調査について打ち合わせることになりました。
区分マンションの漏水問題についてと経験談
私、過去にサラリーマン時代を含めると400件から500件ほどの区分マンションを取引しました。
それら取引のなかでは多かれ少なかれ漏水に関する問題も経験しましたので、思いつくままにつらつら書き記しておきます。
区分マンションにおける漏水の取り扱い
区分マンションにおける漏水は共用部分を原因とするものと、専有部分を原因とする2つの種類に分かれます。
- 共用部分…雨漏りや共用配管(いわゆる縦管)
- 専有部分…専有配管(いわゆる横引き管)
原因が共用部分であればその責任は管理組合にあり、その修復費用については管理組合の加入する保険ないし修繕費から拠出する必要があります。
反対に専有部分を原因とする漏水は、原則として該当する区分所有者の負担ということになります。
共用か専有かは漏水箇所でだいたい判別できる
今回のケースでは上階がほぼ同一の間取りで水回り箇所も一致していること、天候に関係なく常時漏水らしき現象が見られたことから、専有部分が原因とみて間違いないでしょう。
幸いに家財やクロス、床に影響は小さく、現状回復についても広範囲に渡らなそうなので、それほど難儀な展開にはならないかな、と楽観視しているのですが…。
とにかく穏便にストレスなく解決を望む
ま、区分所有者どうしの話し合いということになって、トラブルに発展するのだけは御免ですね。
揉めに揉めた漏水問題の経験談
今から5年くらい前に、共用部分を原因とする漏水トラブルに少し巻き込まれたことがありました。
それはサラリーマン時代のこと。
いつものようにとある中古マンションにリノベーション工事を施して販売し、引き渡してから数ヶ月経って買主さまから連絡がありました。
当時の買主さま「室内に水がポトポト落ちてくる…」
先に述べたように、区分マンション上階からの漏水は上階の所有者か管理組合の責任であり、売主には非がないのですが、だからと言って冷酷に「知らん」とも言えません。
現地に足を運んで買主さまの話を聞くと、横殴りの雨が降ったときに水が入ってくるようで、どうやら雨漏りの可能性が高そうです。
基本、管理組合(管理会社)に丸投げ
正直なところ元区分所有者である売主の出る幕はなく、管理会社にお願いするしかなかったのですが、管理会社の不誠実な姿勢もあって最後の最後まで買主さまと付き合うことになりました。
最終的な顛末としてはそのマンションは雁行設計(ギザギザな形状のマンション)で、その形状から随所にクラック(ひび割れ)が発生し、そのクラックから雨水が入り込み床下(天井上)に微細な水の経路ができあがって当該住戸に行きついたようです。
しかも横殴りの雨が降る際しか水の経路ができあがらないため、原因箇所の特定に時間がかかり、最終決着まで1年半もの期間を要しました。
区分マンションの雨漏りは本当に大変
区分マンションの上階から漏水~修復と原状回復は誰が行う?~・おわり
一棟モノであれば全ての所有権はオーナーにあるため、入居者の不正な使用起因を除く漏水問題はオーナーひとりで解決できることもあって、構図は至ってシンプルです。
それが区分マンションになると関係者が複数にわたり、かつ漏水に関する知識や経験も千差万別で、すんなり解決に至らないケースも頻出しますね。
有効な対策としては、自身が被害者になるケースではできるだけ管理会社(管理組合)を味方につけておくこと、加害者になるケースでは保険に入っておくことくらいでしょうか。
今回の漏水疑惑はまだ始まったばかりですが、早期に無事解決できるといいですね。
コメント