令和に”住宅すごろく”は存在する?業界歴20年の不動産投資家が考える令和の自宅のあり方

不動産投資
この記事は約6分で読めます。

東京のマンション価格高騰が続いています。
ただでさえマンションの値段が高いのに、子どもも大きくなるにつれて手狭になっていく自宅に不安を覚える人も多いことでしょう。

昭和の時代には住宅すごろくと言って、自宅をどのように替えていくかを示す典型的なパターンが存在していました。
ところがいまは令和の時代、万人にとって正解と言えるような住まいの替え方があるようには思えません。

今回は東京に暮らす2児の父でもある私が、不動産業歴20年超のキャリアを通じて当事者目線で考えた、令和の住宅すごろくについてお話ししていきます。

ブログ運営者
ブログ運営者
  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,500万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • 現代における賢い住まいの替え方について

ぜひ最後までご覧ください。




”昭和の住宅すごろく”とその背景について

まずは「昭和の住宅すごろく」とはどんなものか、そしてそれが存在しえた時代背景の考察から入ります。

”昭和の住宅すごろく”とは

この「昭和の住宅すごろく」には、Wikipediaで少々堅い説明がなされているので、それを引用します。

この双六の振り出しは母親の子宮内であり、その後はベビーベッド、親と一緒の部屋、子供部屋を経て、離家後は寮・寄宿舎、下宿となり、木造アパートや公団アパートを経たうえで、結婚後は賃貸マンションに住み替える。その後は子供の成長に応じてより広い住居を求め公団・公社アパート、分譲マンションを経て、最終的に郊外の庭つき一戸建て住宅を取得し、上がりとなる。

引用元:Wikipedia

時代(とき)は高度経済成長期の真っただ中。
日本男児は親元を離れるや、学校や会社の寮でひとり暮らしをスタートし、その後にアパートへ転居。

結婚後は賃貸マンションに引っ越し、その後分譲マンションを購入。
住宅すごろくの最後は郊外の庭付き一戸建でいっちょあがり、という感じでした。

ブログ運営者
ブログ運営者

今では考えられない

現代こそ多様性の時代ですが、当時は「1億総中流時代」。
みんなが同じ思考で同じ行動をとるがゆえ、このような住宅すごろくが成り立つんですね。

”昭和の住宅すごろく”が成り立った背景

令和の現代では考えられない「昭和の住宅すごろく」ですが、これが成り立つためにはいくつかの原因や思想があったことが想像できます。

  • 都心は住むところではない(住めない)
  • 通勤は父親のみ
  • 郊外のほうが自然も豊かで子どもの成長に適している

なかでも現代との大きな違いは、通勤が父親のみだったことではないでしょうか。
現代は夫婦共働きが主流であり、ふたりとも片道1.5時間以上を掛けて通勤してからの家事育児は相当ツラいものがあります。

母親は専業主婦やパートなので都心に出やすい立地に居を構える必要もなく、子どもも家から通える範囲の学校に進学すればいい。
父親は父親で家事育児は関知しないことから、かえって自宅は職場から遠いほうが夫婦間の意見の食い違いも生まれにくい。

ブログ運営者
ブログ運営者

そういう観点では実に優れたシステム

このような家庭環境が多かったからこそ、すごろくの上がりである郊外の一戸建を買って住む人が多かったんですね。
その代わり現在は、郊外にある駅から遠い一戸建は悲惨な状況になりつつあります。

まぁまぁいい値段で買っているため、現役時代は住宅ローンの返済に追われ続け、老後の夫婦ふたり(もしくはひとり)で暮らすには広いうえに不便。
売ろうにもマトモな値段では売れないでしょうし、買い替えるには相当の資金の手当ても必要そうです。

令和の住宅すごろくと私見

ここまでは昭和の住宅すごろくについて考えてきました。
はたして令和の現代における、同じような住宅すごろくはあり得るのでしょうか。
妄想気味に思いを巡らせました。

”令和版住宅すごろく”はあるのか

先ほど述べたように現代は多様性の時代であるため、皆にとって「こうすれば正解」という必勝パターンはありません。
ただ首都圏で、例えばよくある4人家族(夫婦+子どもふたり)で夫婦を前提に、資金的に有利な「令和版住宅すごろく」はあるように感じています。

まず「令和版住宅すごろく」で最も大事なポイントは結婚する前後に、便利な立地に60㎡程度の新築もしくは築浅のマンションを購入することです。

令和版住宅すごろくのキモ

礎となる自宅を購入⇒子どもの成長に合わせて一定期間オプション⇒子どもの独立後は礎に戻る

通常は子供の成長に合わせて「もう少し広い家がいい」「もう一部屋欲しい」となって、自宅をサイズアップすることが多いでしょう。
しかし子どもの成長は早く、せいぜいそのプラスαが真価を発揮するのは長くても10年。

たかだかその10年のためだけに、家をまるごとサイズアップさせるのはコスパが悪いとしか思えません。
そしていったんサイズアップしたらそれを維持し続けるか、また余計なおカネを払ってサイズダウンするしかありません。

サイズアップが必要なら「プラスα分」を買うか借りるのがベスト

つまり、必要に応じて最初に買ったコンパクト気味な自宅マンションを、他人に貸して自分たちは広い家を借りるか、あるいは自宅に近い立地で「プラスα分」を買うか借りてプチ二拠点生活をするのがいいと感じます。
こうすることでサイズアップは一時的な期間に限定でき、老後は住み慣れた自宅でタヒぬまで暮らせますよ(30代で築10年以内のマンションを買っておけば、100歳になっても築70年でたぶん大丈夫)。

わが家の住まいに関する考え方

上に述べた「令和版住宅すごろく」は、私が何年も前からおぼろげに考えてきたプランです。
私は結婚した後の齢30過ぎのときに、60㎡台の新築マンションを東京世田谷で購入しました。

その後はふたりの子宝に恵まれ、現在はふたりとも小学校に通っています。
おそらく今から3年後には自宅マンションでは手狭となり、そこからさらに10年後には今のサイズがちょうどよくなる状態に戻ることを見込んでいます。

ブログ運営者
ブログ運営者

この7年ほどをどうやり繰りするか

ベストな案は今の自宅を定期借家で他人に貸して賃料を得て、近場で古くても広い賃貸物件を借りられれば実質的な負担は差額の5万円程度で、家を数年間だけサイズアップできます。
ただし私の低い属性では賃貸物件を借りることができないため、この「プラスα分」を近場で買い足すほうが現実的でしょう。

いわゆるセカンドハウスを買い、自宅スペースの機能を一部セカンドハウスに分散することで有効スペースを最大化する。

具体的には私のオフィス&ベッドルームと収納スペースを移管

実際にクローゼットを見渡しても、頻繁に使うものはせいぜい半分以下。
これら収納しているモノと私の使用しているデスク、新たに1台ベッドをセカンドハウスに用意すれば、いま自宅で使用している20%ぶんは新たなスペースが作れると見込んでいます。
そこを子どもたちのスペースとして使えば、じゅうぶんイケるんじゃないかと。

そんなプチ二拠点生活にて7年ほどやり過ごしたのちは、続けたければ続けてもよし、戻るならセカンドハウスを貸すか、もしくは売っ払ってしまえばいい。
その時点でも当初の自宅マンションは築26年程度ですので、まだまだ長く暮らせます。

業界歴20年の不動産投資家が考える令和の自宅のあり方・おわり

一般に夫婦ふたり、もしくは子どもが小さいときに自宅を買う人が多いと思います。
その後子どもが大きくなり、あるいは2人目、3人目と増えるにつれて、どうしても自宅は手狭になりがちです。

しかし子どもはいずれ巣立つもの。
むしろそこからの方が長く暮らすため、長期的な視点に立って自宅のあり方を考えて最適解を模索していきたいですね。

スポンサーリンク

コメント