日本は15年を周期に政治経済が転換しているように感じませんか?
いまから15年前は安倍首相の辞職後ほどなく自民党が下野し、世界はリーマン・ショックへと進んでいきます。
30年前も同じく自民党が下野、その後阪神大震災や地下鉄サリン事件が立て続けに発生しました。
イヤな傾向ですが2023年からの激動の時代を迎えるにあたり、この15年間の不動産(マンション)価格を振り返ることで、マイホーム検討者にとって参考になればと思います。
- 不動産歴20年のフリーランス
- 投資家(不動産14年、株式3年)
- 運用投資総額は約3,000万円
この記事を読むと、以下のことがわかります。
- マンション価格、15年間の変遷
ぜひ最後までご覧ください。
中古マンション市況とともに15年を振り返る
マンション価格を振り返ると言っても、場所やモノによって見え方が変わります。
私の住む東京世田谷という、都心でなく郊外とも言えない中庸な立地で考察していきましょう。
対象マンション:東京テラス
東京世田谷において、大規模かつ標準グレードのマンションと言えば東京テラス。
東京テラスは旧青山学院大学理工学部キャンパス跡地に2006年建築された、総戸数1,036戸の世田谷最大級のマンションです。
新築後3年目の2008年からは年平均15件の取引があり、ファミリーに人気の3LDKが主体のため相場傾向を掴みやすいと判断しました。
東京テラスの成約価格15年の推移
東京テラスの2007年以降の成約価格(70㎡換算)がこちら。
西暦 | 主な出来事 | 取引数 | 70㎡価格 | 変動率 |
’07 | 安倍首相突然の辞任 | 2 | 4,797万円 | – |
’08 | リーマン・ショック | 13 | 4,684万円 | ▲2.35% |
’09 | 民主党政権発足 | 19 | 4,545万円 | ▲2.96% |
’10 | 尖閣沖で中国船衝突 | 16 | 4,696万円 | +3.32% |
’11 | 東日本大震災 | 12 | 4,515万円 | ▲3.85% |
’12 | 第2次安倍政権誕生 | 18 | 4,300万円 | ▲4.76% |
’13 | アベノミクス始動 | 20 | 4,339万円 | +0.91% |
’14 | 消費税8%へ | 23 | 4,485万円 | +3.36% |
’15 | ギリシャ危機 | 11 | 4,535万円 | +1.09% |
’16 | ブレグジット騒動 | 18 | 4,637万円 | +2.25% |
’17 | トランプ政権発足 | 11 | 4,569万円 | ▲1.45% |
’18 | 米中貿易摩擦の激化 | 15 | 4,541万円 | ▲0.60% |
’19 | 「令和」に改元 | 14 | 4,715万円 | +3.81% |
’20 | 新型感染症の流行 | 9 | 4,833万円 | +2.51% |
’21 | 東京五輪開催 | 11 | 5,482万円 | +13.42% |
’22 | 露のウクライナ侵攻 | 12 | 6,363万円 | +16.06% |
成約坪単管をグラフにするとこんな感じです。
混迷のジリ貧期:2007年~2012年
日本は自民党の迷走が深まり、世界はリーマン・ショックによる金融危機が勃発。
2009年に歴史的な政権交代が起こるも民主党への期待は虚しく外れ、果ては東日本大震災発生と重苦しいムード一色でした。
東京テラスにおいても2010年こそ坪260万円台で取引された2件で平均が上がっていますが、総じて下落基調であり、この7年間で約10%価格が下落しました。
日本全体が暗い雰囲気でしたね
アベノミクスによる上昇期:2013年~2020年
2013年を境にジリ貧から一転、異次元の金融緩和・マイナス金利による積極財政を謳ったアベノミクス始動により、株式や不動産価格が大きく上昇。
東京テラスにおいてもその恩恵を受け、新築時の販売価格まで値を戻しました。
金融緩和バブルによる最後の打ち上げ花火?:2021年~
2020年新型感染症によるパンデミックに対応すべく緩和したマネーが不動産に流れ込みます。
この2年間の東京テラスの価格上昇率はなんと+31.6%。
相場の底だった2012年から価格が1.5倍になっています。
生活様式の変化や資材の高騰など価格の押し上げ要因はありますが、それだけで説明がつかないくらいの驚異的な伸び率です。
ここまでの急上昇は初経験でした
2023年のマンション価格の予想
最後に不動産歴20年の私が2023年の大まかな予想をしたいと思います。
まず、2013年以降の価格上昇が以下の要因であることは疑う余地がありません。
- 異次元の金融緩和
- 歴史的な低金利
- 円安
- 晩婚化と共働きの定着
これらが相互にプラスに作用しマンション価格は上昇の一途を辿りました。
注目すべきは2023年春の黒田日銀総裁の退任に伴う金融政策の変更です。
金利が上昇し円高に振れればマンション価格は下がり、他にも金融危機の発生や中台の衝突など地政学リスクが顕在化すれば、不動産市場にマイナスの影響となりましょう。
私は何かしら発生して2023年のマンション価格はよくて高止まりか、下落局面を迎えると思います。
「そろそろ下がるんじゃ…」と言い続けてもう何年か😅
下落局面を迎えるとは言いましたが、長期の居住志向かつ資金面で問題がなく希望条件を満たす物件に出会えれば買うのが資産形成上はベターですので、念のため。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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