とあるワンルームマンションの相場の変遷をたどる【ワンルーム投資やる?やめとく?】

不動産投資
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「いまからワンルーム投資を始めるのって遅いのかなぁ…」
みなさん、不動産投資を始めるのに適切なタイミングってあると思いますか?

結論を言えば「時期がいつ」というよりも、「参入者の少ない時期・市場」においてエントリーするのが適切なタイミングであり、その逆もまた然りです。
それでは過去を振り返ってどの時期に参入すれば良かったのかを、とあるワンルームマンションの成約データを眺めることで検証してみましょう。
今回は首都圏でワンルーム投資を始めようとする方に知っていただきたい、中古ワンルームの相場の変遷について解説します。

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  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,000万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • 中古ワンルームの購入すべきタイミング

ぜひ最後までご覧ください。




とあるワンルームマンションの相場の変遷をたどる

まずはスカイコート下高井戸の物件概要から見ていきます。

スカイコート下高井戸ってどんなマンション?

今回取り上げるのは東京杉並区にある、京王線と東急世田谷線の下高井戸駅近く、甲州街道に面したスカイコート下高井戸。

昭和62年建築で総戸数が約200戸、ほとんどの部屋が3点式ユニットバス&洗濯機置場なし(共用ランドリー)という相場のブレが出にくい大型のスカイコートです。

それでは早速スカイコート下高井戸の成約一覧を見ていきましょう。

成約年所在階専有面積成約単価備考
2000716.20147.0OC(10.5%)
2006216.20153.1OC(10.0%)
2007816.20198.0OC(8.72%)
1116.20153.1OC(10.08%)
2009316.80139.8OC(11.57%)
20101116.20181.7OC
2012816.20149.0OC(9.80%)
2014720.52157.9空室
20151217.20134.6OC
2016916.48170.6OC(7.62%)
20171216.18204.4OC
1015.88204.1OC(7.34%)
220.52145.0OC
20191023.25128.0OC(8.52%)
2020716.20183.7OC(7.26%)
416.48188.6OC(8.04%)
2021822.31170.5空室
2023316.20224.5空室
616.48172.6OC(7.47%)
OC( )内は表面利回り

室内の状況によって成約単価(3.3㎡)にバラツキはありますが、2000年~2015年は成約単価150万円くらい。
2016年以降は180万円~200万円に上昇しています。

スカイコート下高井戸の投資シミュレーションを検証

それでは、実際にスカイコート下高井戸の投資シミュレーションを見てみましょう。

1999年~2012年:不動産投資の黎明期

小泉劇場から民主党への政権交代までの10年余りは、いま振り返れば割安感のある相場水準でした。
表面利回りは平均して10%前後ありますね。

2006年表面利回り10%の成約データがありますが、これを仮に2023年まで17年保有したとしたらどうなっているでしょうか。

購入価格:7,500,000円

月額賃料:63,000円

管理費・固都税等:125,000円

購入して17年が経過しているため入居者が3回入れ替わったと仮定して、現行の賃料相場54,000円まで3,000円ずつ賃料が下がる設定とします。
空室は入れ替わりのタイミングで1ヶ月ずつの計3ヶ月としておきます。

また、客付け費用や原状回復費用など入れ替わりのタイミングで30万円の出費を計上し、管理費等が途中値上がっていますので2回目入居者からプラス2万円とします。

期間受け取り賃料管理費等経費
購入時入居者315万円▲52.1万円
1回目入れ替え300万円▲53.1万円▲30万円
2回目入れ替え285万円▲61.6万円▲30万円
最後の入れ替え270万円▲61.6万円▲30万円

税引き前の手残り851.5万円となり、当初の諸費用含めた購入資金はすでに回収を終えていますね。
現在の売買相場(表面利回り7.5%)で売ると864万円前後ですので、100万円以上のキャピタルゲインも可能性大。

まとめ

2000年のひとケタ代に買って長期保有なら勝ち

2013年~:アベノミクス期

アベノミクス&黒田バズーカで円安・株高に誘導され不動産価格も上昇、利回りも10%台⇒7%台に低下

利回りが下がるということは資金回収までの期間が長くなります。
さらに3点式ユニットバス、室内に洗濯機置場がないことは今後ますます敬遠される可能性も高く、個人的には手を出せる相場水準とは思えません。

では2016年の成約データを基に、2023年時点の7年間保有でどうなっているかシミュレーションしてみます。

購入価格:8,500,000円

月額賃料:59,000円

管理費・固都税等:125,000円

これを入れ替え1回、先ほどと同じようなかたちで試算すると…

受け取り賃料管理費等経費
購入時入居者247.8万円▲43.75万円
入れ替え232.2万円▲50.75万円▲30万円

税引き前の手残り355.5万円で物件価格の40%ほどの回収率と、7年保有のわりに少し弱い数値ですね。
キャピタルもわずかに狙えるかどうかというレベルです。

賃料の値下げに加えて管理費等は値上がり、そして利回りは低く買っているので厳しいのも当然ですね。

とあるワンルームマンションの相場の変遷をたどる・おわり

いかがでしょうか。
アベノミクス以降は不動産価格が上昇したこともあり、ワンルーム投資家にとっては手を出しにくい相場になってきました。

ただ厳しい相場環境ですが、チャンスがまったくないわけでもありません。
私たち不動産投資家は掘り出し物を発掘するために丹念に物件を探し、交渉術やリフォーム力の向上を重ねて今後も生き残っていくしかありませんね。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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