【文春砲が炸裂】住宅ローンの不正利用を指示し…オープンハウス“不適切営業”を顧客が告発・レビュー

不動産事件簿
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いっそのこと開き直って「東京で家を買おう」から「住宅ローンで投資物件を買おう」に変更しちゃえばいいのにww
冒頭から不謹慎極まりない発言、大変失礼いたしました。

先日、オープンハウスの営業マンが顧客に対して住宅ローンの不正利用を促し、またオープンハウス社員はそれら不正利用が常態化していることを文春に暴露されました。
私自身は住宅ローンの不正利用に関わったことは記憶にある限りないですが、業界に足を踏み入れた20年以上前から程度の差こそあれ、この手のキナ臭い話はたびたび耳にしてきました。

今回は文春記事を見て、オープンハウスの社風や住宅ローンの不正利用に関すること、問題の本質など私なりの考えを述べていきます。

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  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,000万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • オープンハウスと住宅ローンの不正利用

ぜひ最後までご覧ください。




オープンハウス“不適切営業”を顧客が告発・元記事と会社概要

まずは文春オンラインで告発された元記事と、オープンハウスの会社概要について見ていきましょう。

オープンハウス“不適切営業”を顧客が告発・元記事

今回オープンハウスの不正疑惑の文春オンライン記事はこちらです。

住宅ローンは原則としてマイホームを取得するときのみ利用できます。
人にとって住まいは日常生活の礎であるがゆえ、マイホーム取得のために銀行は長期かつ低金利の住宅ローンを提供します。
これが賃貸して収益を得る住宅となると話は別となり、審査も厳しく借入期間は短縮され、貸出金利も引き上げられます。

今回の告発ではオープンハウスの営業マンが顧客に対して、マイホームと偽って投資物件を住宅ローンを組んで購入させる指南をしていたこと、さらにオープンハウス社員は同様の住宅ローンの不正利用を普通に行っていることを暴露されました。

あの会社ならやりかねない

急成長する会社には違法か違法スレスレの、グレーな営業手法が存在するのが常です。
そうでなければ徹底的に営業マンを吊るし上げて、人海戦術で売上げを作るくらいでしょう。

だって、いまだにこんなふうに朝礼をしている会社ですよ。

ヤバさ満点の朝礼風景ですね。
にしても「こっからっす」を体現していきたいって、ワードのチョイスが何とも…ww

オープンハウスとは

朝礼だけを見るとそのへんのイケイケ不動産屋ですが、オープンハウスはれっきとした東証プライム上場企業。
不動産業界でも時価総額が野村不動産HD、東急不動産HDを上回る第5位(2023年6月現在)の超大手有名グループ企業なんです。

2023年6月現在では、CMに元SMAPの木村拓哉さんを起用。
過去には社名をローマ字読みした「オペンホウセ」と呼ぶバカバカしいCMも話題になりましたね。

オープンハウスの会社設立は1997年と新しく、首都圏の戸建分譲事業や売買仲介業を中心に急拡大してきました。
都内在住の方ならご存じかと思いますが、駅前で若い男女の営業マンが「近隣の物件のご紹介で~す♪」と声をかけてくる例のアレです。

オープンハウスのホームページによると、中途採用の営業職は5年目で平均年収が1,025万円とのこと。
このへんの数字だけを見ると、財閥系不動産会社に双肩する新進企業に見えなくもないですが…。

繰り返される住宅ローンの不正利用と問題の本質

住宅ローンの不正利用問題については、不動産業界に身を置く人にとっては「またか…」と思うほど日常的に発生しています。
なぜ、なくならないのでしょうか。

歴史は繰り返される

5年くらい前ですが、悪徳不動産会社が若者相手に住宅ローン(フラット35)を組ませて区分マンションを売りつけ、同時にサブリース契約を結ぶ「なんちゃってスキーム」が流行りました。
大まかなイメージは下記のとおりです。

  1. 本来の価値は1,500万円くらいのマンションを2,500万円で売る
  2. フラット35で借入すると管理費を合わせた毎月の総支払額は10万円前後
  3. 悪徳不動産会社とサブリース契約を結び月12万円で賃貸する

買主は20~30代の単身者で、収入面に難があってもフラット35であれば融資を受けやすく、また金融リテラシーに疎い情弱な若者が狙われました。
悪徳不動産会社の営業マンとの接点も、主にスマホの出会いアプリがきっかけと言われています。

悪徳不動産会社に乗せられてマンションを買っちゃったとしても、一見すると買主にも数万円の実入りはあるように見えますが、のちに悪徳不動産会社が飛ぶのは既定路線で、百歩譲って飛ばなかったとしても、不正利用がバレたら買主は住宅ローンを一括返済しなければなりません。

さらにもともと1,500万円の価値しかないマンションを2,500万円で買っちゃってますので、売るためには1,000万円くらいの追加資金が必要です。
1,000万円もの大金を持っている若者なんてほぼいないでしょうし、仮に持っている人はこんなスキームに引っかからないはず。

そして今日も若者がだまされる…

やはり10代の頃から、金融や経済の教育が必要ですね。

問題の核心

この住宅ローンを使って投資用不動産を買わせる事案が起こる理由はなんでしょうか。

やはり最大の理由は不動産会社のモラルハザードにあると考えます。
住宅ローンの不正利用に不動産会社の社員が関わったと証明できた場合には、不動産会社にも一括返済の責任の一端を負わせないと、同種の事件はなくならないでしょう。

次に、不動産会社の営業ノルマに対する圧力が強すぎることも考えられます。

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さじ加減が難しい…

スルガ銀行が巻き起こした『かぼちゃの馬車』事件では、過剰なノルマを課された現場サイドが、グレーどころかブラックなやり方を使わないとノルマを達成できず、できなければ容赦ないパワハラが待っている…疲弊する営業マンが違法スキームに手を染める気持ちもまったく理解できないわけではありません。

単身者ならいざ知らず、専業主婦に子どもをもつ一家の大黒柱であれば、多少ムチャなことをしても成績を上げて、家族を食わせなければいけない心情はよくわかります。
その弱みに付け込み、ブラックな手法でも売上げを上げさせて手柄の多くは自分のものにし、悪事がバレれば現場の末端社員のせいにする上層部(←コイツらマジ許せん)

ここまで来ると、現場の営業マンも被害者の一員に思えます(もちろん加害者ではあるが)。
弊ブログを見ている人がいるとは思えませんが、オープンハウスならびに類似スキームを働き親分の養分と化している不動産営業マンの方にひとこと。

まとめ

ブラックな手法で稼いでも、所詮は一過性

勇気を出してブラック企業から脱し、コツコツと自分の力で生き抜きましょう。

大丈夫。
父親が本気でひたむきに頑張っている背中をみせたら、カミさんや子どももわかってくれますよ。

オープンハウス“不適切営業”を顧客が告発・おわり

20年以上不動産業界に携わっている私にとって、この手の不適切営業の発覚はまったく驚くべきものではありません。
経験上ここまであからさまでなくても、優秀な成績を収めている営業マンほど多かれ少なかれグレーな営業手法を採っている人が多い印象です。

物件価格によって仲介手数料が変わるのではなく、仕事の難易度や顧客満足が仲介手数料に反映されるような仕組みにならないとダメですよね。
不動産業界は自浄作用が期待できないので、外圧によってぶっ壊れるのを待ちましょう。

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