掲示板サイトで買った「廃業ホテル」で問題多発…不動産の「個人間売買」に潜む落とし穴とは・レビュー

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「これは安い…早く買わないと誰かに先を越される!」
マイホームであれ投資用であれ、不動産を探している人にとっては1度や2度このようなシチュエーションを経験した人も多いことでしょう。

物件を見つけた当初は「安い!」と思っても、実際に詳細を調べていくうちに何かしらのウィークポイントを発見して、実はそれほど安くないという結論に達することがほとんどです。
しかし、このウィークポイントを仮に見逃して購入してしまうと、お宝物件が一転●ソ物件化してしまうところが不動産の怖さでもあるんですが…。

今回は楽待さんのYouTubeチャンネルで、とある不動産投資家が個人間取引によりク●物件を掴まされた動画を視聴して、感じた私なりの考えを述べていきます。

ブログ運営者
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  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,000万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • 個人間取引による不動産取引の怖さ

ぜひ最後までご覧ください。




不動産の「個人間売買」に潜む落とし穴とは・本編とあらすじ

まずは楽待さんの動画本編とあらすじをみていきます。

不動産の「個人間売買」に潜む落とし穴とは・本編

それでは動画の本編を観ていきましょう。

いやぁ、この売主の婆さんの登記費用負担を巡ってのセリフが只者じゃないことを物語ってますねぇ…(※契約書に登記費用は売主が払うと明記)。

婆さん「何であんたの登録私が払わなきゃいけないのよ、自分で払いなさいよ登録税くらい、自分の登録だろうよ」
サワダさん「そのための契約書じゃないですか」
婆さん「チャラチャラやってるもんね、汚いことやってるわね」

チャラチャラやってるってw
これはマジなのか演技なのかで、この婆さんの印象がガラッと変わりますよ。

不動産の「個人間売買」に潜む落とし穴とは・あらすじ

不動産投資家のサワダさんが購入したのは築52年、鉄骨造の5階建の廃ホテル。
売主が掲示板サイトで直接売りに出していたものを1,000万円で購入しました。
掲示板サイトを介した個人間取引のため、仲介業者を挟まずに取引が進んでいき、これが結果としてサワダさんの首を絞めることに…。

動画のなかでもサワダさんは、不利な条件を次々と飲まされます。

  • 内覧は夜(しかも電気は通ってない)
  • 売主の契約不適合責任は免責
  • 売買契約書の条文は反故

内覧は夜に行われたため、建物の状態を正しく確認することができず、また給水設備の故障についても契約不適合責任を免責としたため売主への責任追及は難しいとのこと。

契約不適合責任とは(引用:at home)

売買契約や請負契約の履行において、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任

極めつきは売買契約書の条文にあった「売主負担の登記費用」が決済時にあっさり反故にされ、登記費用の約40万円はサワダさんが支払う羽目になったことです。

売買代金を振り込む前に回収しとけよ…

これらはすべて「格安物件だから急いで買わなきゃ」と飛びついたが故の過ちだったとサワダさんは嘆いており、やっぱり焦って買うのは危険であることがわかりますね。

動画を視聴して思ったこと

動画を視聴して最終的なサワダさんの損害と、自分事として気を付けたいことをまとめていきます。

甘い見立てと大損切り

サワダさんの当初の目論見はこんな感じでした。

物件価格1,000万円
修繕費用600万円
売り上げ960万円
表面利回り60%

私はホテル経営についてサッパリわかりませんが、仮にこの通りいくのであれば10年以上もの間ホテルを廃業している現状が理解できません。
だって600万円の修繕工事を行うだけで、年間1,000万円近い売り上げが見込めるんですよ?

うまい話は疑え

結局のところサワダさんの見立て通りにはいかず、なんと修繕費用は2倍以上の1,400万円に上ります。
さらにサワダさんの手持ち資金に余裕がないことからホテル経営はあきらめ、修繕工事を行ったのちに売却(損切り)する予定だとか。

サワダさん「想定売却額は1,650万円」

…ん?
修繕費用で1,400万円をかけて、1,650万円で売る?
いっそのこと更地にして売ったほうが傷が浅い、と思うのはシロウト考えでしょうか。

さらに、売主の婆さんが1,650万円でサワダさんからこの物件を買い戻せば激熱展開ですねw
婆さん「内覧はお昼、契約不適合責任つきでぇ、もちろん登記費用は売主負担♡」
サワダさん「……」

とにかく750万円の大損切りを覚悟しているサワダさんの今後に幸あれ、といったところです。

教訓

今回の動画から、気を付けたいポイントもいくつかありました。

まずは契約不適合責任の免責について。

私は区分マンションを投資目的で購入しますが、たいてい契約不適合責任は免責で取引します。
契約不適合責任を免責にする理由は、指値を通しやすくするための方便なのですが、仮に目に見えない設備類が全損していても、修繕費用がいくらかが凡そわかっているからです。
これが今回の廃ホテルのごとく、雨漏りや設備の稼働可否により修繕費用がどれくらいかかるかわからないような物件だと、怖くて手を出せないと思います。

まとめ

契約不適合責任は全交換を覚悟すべし

そしてもうひとつは「相場より安くて良い物件は存在しないか、もしあっても自分には回ってこない」と肝に銘じることです。

本来、売主は所有不動産を高く売ることを望みますし、そのために仲介手数料を払って仲介業者に売却を依頼します。
それをわざわざ「掲示板サイトに掲載して激安に売る」という行動は、どの角度から見ても合理的な行動には見えません。
割安な物件を見つけたときは、売主側の立場になって物件の販売行動が自然かどうか、一度冷静に観察するのがいいかもしれませんね。

加えて、「激安物件が自分に回ってくるはずがない」という意識を常に持つことも大事かと。
売主あるいは仲介業者に特別なメリットがない限り、自分に優先的に情報をくれるというのは普通に考えてあり得ないことです。

大丈夫ですよ。
それほど激安じゃなくても、そこそこの物件を買って時間を味方につければ不動産投資は成功しますから。

不動産の「個人間売買」に潜む落とし穴とは・おわり

今回のサワダさんの取引は、個人間取引でなければ少なくとも内覧時間と登記費用については売主の思惑通りに事が運ばなかったと思います。
また、契約不適合責任は免責になったとしても、修繕箇所について仲介業者のアドバイスは期待できたのでは?と感じました。

しかし、私はどんなに安くても売主個人から直接買うのは気が進みませんね。
1,000万円の物件なら仲介手数料はたったの36万円ですよ…それをケチるのか、それとも仲介業者に相手にされないのか、いずれにしてもロクな売主じゃないことだけは間違いないですから。

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