【小規模企業共済に入ってみた】フリーランスの退職金制度~そのメリット・デメリットは~

FIREフリーランス
この記事は約6分で読めます。

少し前に「老後2,000万円問題」がずいぶん話題になりました。
とかく老後問題に敏感で日々節約と貯蓄に励むニッポン人にとっては、大きく不安をあおるニュースとして大々的に取り上げられていましたね。

かく言う私もロスジェネ世代、不惑の40代も半ばのフリーランスということで、老後の生活資金について少なからず意識する年頃となってきました。
かねてより「老後も働く」と公言しているものの、転ばぬ先の杖もないよりはあったほうがいいに決まっています。

今回は零細フリーランスの退職金制度ともいうべき「小規模企業共済」に加入しましたので、その手続きやメリット・デメリットについてまとめていきたいと考えています。

ブログ運営者
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  • 不動産歴20年のフリーランス
  • 投資家(不動産14年、株式3年)
  • 運用投資総額は約3,000万円

この記事を読むと、以下のことがわかります。

  • 小規模企業共済の概要とメリット・デメリット

ぜひ最後までご覧ください。




小規模企業共済と加入手続き

小規模企業共済(以下「小規模共済」)は所定の条件を満たす零細フリーランスが加入できる、退職金の積立システムです。
この度は私も晴れて小規模共済に加入する運びとなりました。

小規模企業共済とは

小規模共済を運営する中小機構によると、以下の説明があります。

小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる「小規模企業共済制度」。掛金が全額所得控除できるなどの税制メリットに加え、事業資金の借入れもできる、おトクで安心な小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。

中小機構ホームページより引用

そもそも退職金制度という概念のない零細フリーランスに対し、「天引きで退職金を積み立てていきましょう、そしてその掛金は所得控除できますよ」という、有り難い退職金積立システムです。
私、フリーランス歴3年になりますが、これまで小規模共済には加入しておりませんでした。

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ここ半年は金欠で余裕がなかった

フリーランス2年目くらいに小規模共済に興味を持ったものの何となく加入しないまま、2023年に入って所有不動産のリフォーム費用を捻出して生活資金が底を尽きており、加入したくても加入できない状態が続いたのです。
そんな状況で未加入期間が続いていましたが、2023年9月には所有不動産の売却を終えて資金の見通しが立ったため、ようやく小規模共済に加入する運びとなりました。

掛金の範囲

掛金は月額1千円~7万円の範囲内で、加入後も自由に増減可能

実際の加入手続きは?

まずは中小機構のホームページから、申込書を取り寄せます。
すると1週間ほどで自宅に申込書とともにパンフレットなどが届きました。
ただ、実際の加入の申込みについては中小機構では取り扱っておらず、以下の窓口で手続きをする必要があるとのこと。

  • 商工会
  • 商工会議所
  • 中小企業団体中央会、中小企業の組合
  • 青色申告会
  • 金融機関の本支店
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このなかでは金融機関以外、よく知らない…

私はリアル銀行ではみずほ銀行のみ口座を持っているため、まずは近所のみずほ銀行に電話で尋ねたところ「受け付けてますよ」との回答が。
早速、必要書類を持参してみずほ銀行を訪ねます。

銀行に提出する書類は申込書のほか、自分が個人事業主であることの証明書類です。
私の場合、直近の確定申告書の控え(受付日時、受付番号が記載されたもの)と、e-Taxの受信通知画像をプリントアウトしたもので足りました。

都合10分ちょっとの間、待合スペースで待たされますがトータル20分かからないくらいで、申込み手続きが完了しました。

小規模企業共済のメリット・デメリット

ここで改めて小規模共済のメリット・デメリットを確認してみましょう。
小規模共済のデメリット部分をよく吟味しないと、元本割れすることもあり得ますから。

小規模企業共済のメリット

小規模共済のメリットは退職金の自動積み立てもありますが、やはり節税

掛金が最大(年84万円)の場合、課税所得金額の多寡にもよりますが15万円から30万円くらいの節税効果が見込めます。
そして共済金の受取りにあたっては「退職所得」もしくは「雑所得」となるため、小規模共済に加入しないまま利益イコール「事業所得」として計上するよりも、税負担が軽減されます。

また、期末に大きな利益が出るなど、決算対策として12月中に翌1年分の掛金を前もって年払いすることで、最大168万円の所得控除を受けることができるそうですよ(もちろん翌年は控除ゼロ)。

節税とは、何と甘美な響きよ

さらに小規模共済には低金利の貸付制度があるようです。
納付した掛金の一定割合までで最大2,000万円以内という縛りはありますが、年利1.5%(一般貸付制度、2023年10月現在)という低金利で貸付が受けられます。

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掛金を減らすくらいなら、うまく貸付制度を利用したい(詳細は後述)

これら以外に小規模共済のメリットがあることはあるのですが、私の場合は節税と貸付制度に大きく魅力を感じますね。

小規模企業共済のデメリット

続いては小規模企業共済の注意点についても触れておきます。

納付期間20年未満は元本割れ

加入後1年未満に解約すると掛け捨てとなり、その後段階的に解約手当金の返戻割合は上がるものの、トータル20年は加入しないと元本割れするそうです。

また、加入後の掛金の増減は自由とありますが、納付期間のカウントの仕方がやや特殊です。
詳しくはこちらのブログに記載されているように、掛金の多寡部分は独立して期間算定されるため、安易に増減すると20年以上納付したとしても、一部掛金の納付期間が20年未満にカウントされやすくなります。

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なので、掛金を減らすなら貸付制度を利用したい

インフレと税制の改悪

小規模共済は20年以上の長きにわたる一種の資産運用です。
そのため、インフレによる貨幣価値の下落にはとことん弱いことを肝に銘じなければなりません。

20年後の1万円、果たして何が買えるやら…

さらに退職所得控除の改悪にも気を付けなければなりません。
先の税制調査会の報告で、給与所得・退職所得それぞれの控除枠縮小の観測気球が上がったことは記憶に新しいところです。

民意の大反発を受けてそれらはいったん引っ込めましたが、20年あれば何が起きても不思議ではありません。
税制の改正には、これからもじゅうぶんに注意が必要です。

小規模企業共済に入ってみた~そのメリット・デメリット~・おわり

いくら「歳をとっても稼ぐぞ」と意気込んだところで、頭の中や身体がすっかり衰えていたらどうにもなりません。
メリットの多い小規模共済制度があるのであれば、これを活用しない手はありませんね。

私は45歳で加入しますので、20年後の65歳のときに共済金を受け取れる計算になります。
そのときを楽しみに、これから毎月コツコツと積み立てていきますか。

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